第29章 残された時間と誕生日
「むだだよ、なぎさ。結局のところその人も社会人なんだ。いざとなったら保身のために上の命令に従うだけ。」
カルマが口を開きそういった。だけど私は違うと言って欲しかった。
「その通りだ。地位がなければ肝心な時に誰も守れない。それに俺自身の新年に基づいてもやはりやつは殺すべきだと考えている。ただちに彼らの送迎車と警護を手配してくれ。」
私は烏間先生のその言葉でもう確実に政府へと戻ってしまった、そう確信へと変わろうとした時だった。
「くっそ、烏間の野郎…」
「寺坂くん。烏間先生は今俺を困らせるなってはっきり言った。」
「だからなんだよ…。」
「前は烏間先生は言ってたよね。もしも俺が困れば迷わず君らを信頼し任せるだろうな、って。だから困らせるな、は僕らを信頼し任せるって意味だと思う!僕らは烏間先生に信頼され、任されたんだ。だから、みんなで考えて整理しようよ。僕らがどうしたいのか。僕らに何ができるのか。殺せんせーがどうして欲しいのか。」
私は渚のその言葉でハッとした。そっか、そういえばそんなこと…。なら私だって殺せんせーの元に行きたいよ。
「その通りだよな、渚。まずは家に帰って整理していこう。そして作戦を立てよう。」
私たちはそれで一旦解散とした。