第29章 残された時間と誕生日
「私たち、何も聞いてないよ!」
「しかも、あの声明じゃ殺せんせーが悪いみたいな。」
「納得できません!そちらが殺せといっておいてこんなの勝手すぎます!」
私はみんなの意見がザワザワと聞こえる中混乱でどんどん耳鳴りが激しくなった。そっか、そういう事だったんだ…。
「みんな…ごめん、私のせいだ…。最近お父さんの裏社会でお金が激しく動き回っていたことを知って、それが全部秘密裏に動いていた暗殺計画の一部の資金だったんだ。烏間先生もこのことは知っていたんでしょう…?」
私がそう言うとみんなはびっくりしていた。
「ということは、藍奈の親まで防衛省で買収してたってことか!?」
「そんな…。そんなこと殺せんせーだって嫌に思うに決まってる。それに俺たちが暗殺しないと殺せんせーだって納得しませんよ!」
「烏間先生お願いです!僕たちを行かせてくたさい!」
私たちは烏間先生の答えを待った。私は手の震えが止まらなかった。
「街中にも山中にもすでに精鋭部隊が配備済みだ。もう君たちが付け入る隙はない。諦めるんだ。」
「嫌です!殺せんせーと話してないことが沢山ある。やりたいこともたくさんある。だからお願いです、いかせてっ…!?ぐっ…!」
なぎさが必死にお願いしようとしている所に烏間先生は床に押し倒していた。
「なぎさっ…!」
「行かせることはできない!これは国の方針だ。いいか、よく聞くんだ渚くん。俺を困らせるな、わかったか。」
烏間先生はそれだけを言い捨てた。渚はそれで何も言えなくなってしまった。