第1章 出会いは3年E組で
「可愛い子に手出すなんてひきょーだね、おにーさんら。」
後ろから男の声が聞こえた。
「あん?おめぇ、誰だ…っ…!赤髪、お前か。2人ともケリつけてやんよ。前のお返しだ。存分に味わえよ。」
こいつらはこの男を知っているらしい。とりあえず優勢に立ちそうだったから勢いづけて、こいつらをぶっ飛ばした。
「はぁ、やっと終わった。こいつら頑固なんだよなぁ。」
私たちは事が終わり帰ろうとした時だった。
「まぁ、この人たちは頭の悪いガキだからな。」
そう言いながらとぼとぼと帰路に着いた。
「そういや、君可愛いのに喧嘩めちゃ強いね!名前は?」
「。」
「あっ、やっぱりAの。俺は赤羽業。知ってるよね?」
私は喧嘩に夢中だったため、顔をちゃんと見ていなかったが、こいつは私のクラスの男子だった。
「あー、知ってる知ってる。学1でふりょーくんのね。」
「随分と冷たいなぁー。あまり喋ったことは無かったけどクラスの中でマドンナって言われてるの知ってた?」
私は頭の中でハテナがいっぱい浮かんだ。私が?そんな訳ない。
「はい?私そんなかわいくねぇよ?あー、なんなら堕天使って方がしっくりくるけど。」
カルマ君はくすくす笑って、私の頭を撫でてきた。
「は随分自分のこと低く言うんだ。喧嘩強いのに背低いとこ可愛いところあるじゃん!」
そう言ってきた。カチンときたので私は、
「はぁ!?私160だけど何か?170のカルマくんからしたらデケェだろ!?」
カルマ君はハイハイと言いながら手を振った。
「んじゃ、またE組でね!俺はこっち。」
私たちは分岐点で別れ、家に帰っていった。