第27章 あたりまえのことがあたりまえじゃないこと~バレンタイン~
「渚も受けたい高校あるんだよね?」
「うん。みんなとももうすぐお別れだね…」
「ちゃんはどうするんですか?どこか行きたいところとか。」
私は意外とカルマにも言っていなかった進路を聞かれて少しびっくりした。
「え?あ、私は椚ヶ丘を抜けて桜ノ宮に戻るよ。父が學峯さんとの契約が3月で終わるんで椚ヶ丘とは連携校として通常に戻る。その時の家業を継いで桜ノ宮高校の理事長代理として復活。表では私がやりたかった母の会社の社長になるよ。」
「はぁぁ!?(えぇぇ!?)」
「え、えっと。は理事長代理兼社長ってこと!?」
私はうんと頷くと何が何だか、という顔をされた。いやまぁ無理もないけど…。
「え、じゃあ、俺もしかして桜ノ宮お嬢様の旦那になるってこと…。やば、やっぱだわ。」
そんなこんなで私たちは受験日やらを控え、羽ばたく準備が本格的になってきた。
「そっか。てことはとしばらくは離れるね。」
「…そうだね。ちょっと寂しくなるな。」
私は結構落ち込んでいたのかずいっとカルマに顔を上げさせられた。
「ふぇ、あに?(なに?)」
「忙しくてもとの時間ちゃんと作るし、離れていても電話する。だからそんな落ち込まないでよ。」
私はカルマの一言でハッとした。
「…っ、そうだね!ごめん!私もカルマのことちゃんと見てる!」
そんなこんなで一日の幕を降ろした。