第27章 あたりまえのことがあたりまえじゃないこと~バレンタイン~
まばらにみんなが学校に来ているとある日。何を隠そう、今日はバレンタイン。
「おやおやおやー?」
「それを誰に渡そうというのかねぇー?」
「あははは、かえでちゃん、私もいるよー…」
私はカルマに誘われたかと思えばかえでちゃんのチョコ事情の聞き出しのようだった。
「な、なにいってんの!2人とも!ぎっ、義理だよ義理!誰に渡すかも決めてないし…」
「ごめん、かえでちゃん結構バレバレ…」
そんな私もいつも通りにカルマといときながらも実はカルマに持ってきてる…。いつ渡そうかな…。
「へぇー?俺はてっきりこの男に渡すのかと。」
「っ、うわぁぁー!許してください…許してください…。」
「かっ、かえでちゃん!!大丈夫、大丈夫だからねー!」
私は特にフォローにもなれずのファイトを送り続けることしか出来なかった。りおとかるまのこのゲスさは私にも止められん…。
「あいつ自己評価低いからねー?自分が異性から好かれるなんて思ってもない…」
「これにしたって茅野に悪いことしたって恐縮しきりだし。ちゃんと言わないとたぶん永遠に伝わんないよ」
「私なんて幼なじみとしてしか見られてないからそもそも女子って枠組み薄いだろうし…」
かえでちゃんはただ顔を赤くしながらモジモジしていた。なんかかわいい。