第25章 三学期の始まり~クラスの喧嘩と私たちの喧嘩~
「2人を相手にしてナイフを使って勝ったところで誰も俺を認めないわな。させもしないし、抜けれもしない。降参せざるを得ない状況に追い込まれたよ。ナイフを使わずに格闘技で俺に勝つ。おれを殺すにはこれが最適解だったとはねぇ。…っててて。」
「あっ、ごめん、カルマ大丈夫?ちょっと中学生相手に本気出しすぎちゃったね…」
私はしょぼんとしているとカルマに頭を撫でられた。
「それで、まだ俺あのことについて許してないんだけど。今度こそ拳じゃなくてちゃんと話そうか。」
そう言ってニコッと笑って私を見つめてきた。カルマの目には私を思ってくれる気持ちが溢れ出ていた。
「そうだね、ごめん。」
そういうとどこか吹っ切れたようにまた寝転がって言った。
「完敗だ。殺せんせーを助けたいんだろ、2人とも。言うこと聞くよ。」
「いいの?ほんとうに?」
「ボコボコの顔でアホみたいな面してんなよ。伝染病にかかったねずみみたい。」
私は思わずこの二人の会話を聞いてくすくすと笑ってしまった。
「もう、なんでそんな悪口はつらつら出てくるのかな、かるまくんは。もあんまり笑われると傷つく…」
「っ…ふふふっ。ごめ、ごめん、んふふふ。」
私は笑っているとカルマはよいっと立ち上がって渚にこういった。
「てかさぁ、いい加減俺ら呼び捨てでよくね?喧嘩の後でくんつける気がしないわ。」