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月が欠けた日から…

第23章 殺せんせーとカエデのこと


「できれば、過去の話は最後までしたくなかった。けれど、しなければ行けませんね。君たちとの信頼を、君たちとの絆を失いたくないですから。先生はね、教師をするのはこのE組が初めてです。にもかかわらずほぼ全教科を滞りなく皆さんに教えることが出来ました。それはなぜだと思いますか?」

殺せんせーがそういうと私たちはハッとした。私たちが思いついたことは多分的に当たっている。

「そう。2年前まで先生は死神と呼ばれた殺し屋でした。それからもうひとつ。放っておいても来年3月で先生は死にます。1人で死ぬか地球ごと死ぬか。暗殺によって変わる未来はそれだけです。」

ここからは殺せんせーが人間であった時の記憶であり、雪村先生との関係が明らかになろうとしていた。









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彼は、死だけを信じて育った。劣悪な環境のスラムに生まれ、彼が唯一信頼できた真実は"殺せば人は死ぬ"

だから彼は殺し屋になる道を選んだ。それは彼の天職だった。力が強い者は知識で殺す。頭がいい者は力と技で殺す。両方とも強い者は人間的魅力で籠絡する。

数えて1000人を殺す頃には"死神"が彼をかざる通り名となっていた。
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