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月が欠けた日から…

第23章 殺せんせーとカエデのこと


だけど殺せんせーは随分とやられてしまっていたようだった。

「平気です…。ただ心臓の修復には時間がかかる…。先生から聞きたいことがあるでしょうがもう少しだけ待ってください。」

とその時だった。どこからか発砲音が聞こえたかと思って上を見るとそこにはシロ、がいた。

「瀕死アピールは体外にしろ。まだかわす余裕があるじゃないか。」

そう言いながらシロはマスクを取り外した。

「覆面を被り、声を変えた天才科学者。やはり君か、柳沢。」

何をしたかったのかよく分からないがそのまま去っていった。それと同時にカエデが目を覚ました。

「茅野、平気?」

その後はカエデの言葉をみんなが待っていた。

「最初は純粋な殺意だった。けど、殺せんせーと過ごすうちに殺意に確信が持てなくなって言った。この先生には私の知らない別の事情があるんじゃないか。殺す前に確かめるべきじゃないかって。でもその頃には触手に宿った殺意は留まることを許さなかった。」

「殺せんせーはみんな揃ったら全部話すって約束した。先生だって聖人じゃない。いい事ばかりしないのはみんな知ってる。でも聞こうよ!みんなで一緒に!」

渚の言う通りこの1年楽しいことも怒ったことも色々ある。全部が殺意があるって訳じゃない。私はそこで殺せんせーの話を聞く覚悟ができた。

「うん…。ありがとう。もう演技辞めていいんだ…っ。」

カエデはそれでやっと今までの事の荷が降りたようだった。

「殺せんせー、どんな過去でも俺らは受け入れます!」

そこからは殺せんせーの過去の話へと幕を上げた。
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