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月が欠けた日から…

第23章 殺せんせーとカエデのこと


「知ってるよ、茅野。2年の3月、2週間ぽっちの付き合いだったけど熱心ですごくいい先生だった。」

「そんな雪村先生は…殺せんせーはいきなり殺すかな?そういう酷いこと俺らの前で1度もやった事ないじゃん!」

「ね?殺せんせーの話だけでも聞いてあげてよ!かえでちゃん!」

「停学中の俺ん家まで訪ねてくるような先生だったよ。」

そこまで言われて私はハッとした。名前と顔が一致しなかったからか、私は少しだけ覚えがあった。

「もしかして雪村先生ってあのショートカットの…?今思い出したけど1度私の家にも来たことがあるって親から聞いた。ちょうど私家にいなかったからそんな話覚えてなかったけど今思い出した。」

「やっぱりの家にも来てたんだ。けどさ、本当にこれでいいの?今茅野ちゃんがやってる事が殺し屋として最適解だとは俺には思えない。」

カルマのその一言で私もやっと雪村先生のことが少しわかった気がした。

「体が暑くて首元だけ寒いはずだ。触手の移植者特有の代謝異常だ。その状態で戦うのは本気でやばい。熱と激痛でコントロールを失い、触手に生命力を吸い取られ最悪…」

イトナくんがそう言いかけた時だった。

「うるさい。部外者たちは黙ってて。」

少し低い声でそう言われたかと思えば触手に火がつき燃えているように見えた。
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