第21章 先生と先生~理事長のこと~
私は一気に恥ずかしくなって肩に顔を踞せた。と思えば、後ろから声が聞こえてきた。
「浅野理事長ー?は俺の彼女なんだけど、そろそろ降ろしてやってくんない?見てるこっちが腹立つんだけどー。」
カルマがそういうと學峯さんはどこかへ向かったかと思えば外に出てカルマの隣に私を降ろした。
「、今度は赤羽くんではなく私の家に来るといい。学秀も喜ぶだろう。」
そう言ってニコッと笑った學峯さんはどこか少し雰囲気が変わったようだった。
「はい!今度は高級店、奢ってください!」
そう言ってその日はもう日が沈みかけている頃だった。
「ところで先生!テストのご褒美はー?」
「そうそう!先生の決定的弱点を教えてあげる約束でしたね!」
というわけでクラスみんなで次の言葉を待っていた。
「実は先生…意外とパワーがないんです…。スピードに特化しすぎていて特に静止状態だと触手1本なら人間1人でも抑えられる。」
「つまり、みんなで触手を全て抑えれば!」
「先生の動きを止められる…!」
だけどやっぱりそれが出来たら最初から苦労しないようで…笑。捕まえられないことを前提に教えたようだった。現にみんな手こずっているし…。
「うーん、ダメですかねぇ。あ、容量はあの、ヌタウナギを掴む感覚です!」
うん、よく分かんない…。私とカルマと渚でその光景を見ながら呆れていた。