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月が欠けた日から…

第19章 進路のこと、これからのこと。


「もう少し山奥に足を伸ばせばまだ在庫は生えてるぜ!」

「うーん、ここいらで打ち止めにしましょう!」

さっきまでずっと喋ってなかった殺せんせーが口を出した。

「でも!それじゃ勝てないよ…」

「いいんです。これ以上とると山の生態系を崩しかねない。あらゆる生物の行動が縁となって恵になる。実感してくれたでしょうか?君たちがどれほどの縁に恵まれてきたことか。」

結局殺せんせーにとっては授業が目的だったようでなんだか憂鬱になりそうだったけどでも、これでまた学ぶことは沢山あった。

「くそっ、勝ちたかったけどなー。」

「うんうん。」

その時だった。窓を見ると昨日と同じくらいの時間に今度は渚のお母さんがきていた。それになぎさもきづいたようで。

「母さん!」

そういいながらなぎさは外へ出ていった。私は窓からそっと覗いていた。何を話していたのか最初は聞こえなかったけど、渚のお母さんにとってもなぎさも縁のあった子、のようだった。

「縁、ね。」

なんだかんだちゃんと文化祭を楽しめて良かったなぁ。他の出店は回れなかったけど…。でも私がここにいなかったらそれも縁の繋がりがなかったのかな。かるまと出会えたのも何かの縁。そう教えてくれた文化祭だった。
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