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月が欠けた日から…

第18章 イリーナ先生のこと


「彼女の命を守りたければ、先生方には決して言わず君たち全員で僕が指定する場所に来なさい。来たくなければ来なくていいよ!その時は彼女の方を君たちに送ります!全員に行き渡るように小分けにして。そして多分次の花は君たちのうちの誰かにするでしょう。」

なぜかこの人の言葉はどこか説得力のあるような、だけど言っていることは脅しで。警戒して怖いと思いたいけど思えないこの複雑な心境はどこかゾクリと来るものがあった。

「おーおー、にーちゃん、俺らは助ける義理ねぇんだぜ?あんな高飛車びっち。第1、ここで俺らにボコられるとは考えなかったか?誘拐犯。」

いつの間にか寺坂くんたちは教卓の前まで出てきていた。寺坂くんは何も分かってない。だって…

「不正解です。寺坂くん。それらは全部間違っています。君たちは自分たちが思っている以上に彼女が好きだ。そして、人間が死神を刈り取ることなどできやしない。」

そういったすぐにその人は教卓の前から姿を消した。なんだかよく分からないふわふわした気持ちの中にいるようだった。

"恐れるなかれ、死神が人を刈り取るのみだ"

頭の中に響くようなことばだけをのこして。

「今夜18時、クラスみんなで地図の場所に来てください…か。」

磯貝くんは床に落ちている髪を拾ってそう呟いた。

「鷹岡やシロのときとおなじだな。俺らをおびき出して殺せんせーを殺すのが目的だろう。」

結局私たちはイリーナ先生を救出しに行くことに決定した。私たちの先生は殺せんせー、烏間先生、そしてイリーナ先生しかいないから。
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