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月が欠けた日から…

第18章 イリーナ先生のこと


クラスみんなが黙りこくって閉まっているときだった。

「そんなことは無いよ。彼女にはまだやってもらうことがある!」

「だよねー!なんだかんだいたら楽しいもん!」

そうそうと私もうなずき、ゆっくりイリーナ先生を待とうと思った。

「君たちと彼女の間には十分な絆ができている。それは下調べで既に確認済みだ。僕はそれを利用させてもらうだけ。」

私は其の瞬間今の状況を悟った。いつの間にかお花屋さんは私たちの間に溶け込んできていたようだった。こんなにも存在があるものなのにそれに誰も気づかなかった。

「!?!?」

私は瞬時にその存在を警戒し、いつの間にか愛銃のベレッタをその人に向けていた。そこまでをもこの人はみんなに衝撃を与えていたからだ。

「僕は死神という殺し屋です。今から君たちに授業をしたいと思います!藍奈さん、その銃を下ろして貰えませんか?」

そして、1呼吸置いたあと、また喋り続けていた。私は洗脳されているかのように銃を言葉の武器だけで下ろさせられた。

「花はその美しさにより人間の警戒心を打ち消し、人の心を開きます。渚くん、君たちに言ったようにね。でも花が美しく芳しく進化してきた本来の目的は…律さん、送った画像を表示して!」

淡々と喋るその口調に警戒心を抱こうにも抱けず、なんとなくその死神、という人の言葉を聞く他しかできなかった。そして、見せられたその画像は…

「虫をおびき寄せるためです!」

イリーナ先生が拘束され、監禁されている様子のものだった。

「なっ!?どういう、こと…?」
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