第18章 イリーナ先生のこと
「あ、そうそう、これはに。今日が記念日なの忘れてないよ?」
「え、いつの間に!?ありがとう。もう半年も過ぎてるもんね。私も明日記念日のプレゼント渡すね!」
そんなこんなで隠れて職員室の様子を外からみんなで聞いていた。と思っていたのもつかの間。ガラリと表情を変えてさっさと学校を出ていってしまった。
「び、びっくりした…。まさかこんなすぐバレるとは…」
「烏間先生がなんか変なことでも言ったんじゃないの?」
結局その後は1日イリーナ先生は戻ることはなく随分と傷ついてしまっているようだった。
「カルマ、今日は学秀の家寄ってくから先帰ってて!」
「りょーかい。また明日ね!」
私はカルマと別れ、学秀と帰路へとつき、一日の幕を閉じた。だけど、そこからイリーナ先生は3日も学校へ顔を出さなくなってしまった。
「カルマはなんか聞いてない?」
「いや、俺は特に。それこそはなんか聞いてないの?がいちばんびっち先生と仲良いじゃん。」
「いや、私も何回か連絡してるんだけど連絡つかなくて…」
どうしたものかとクラスのみんなが心配しているときだった。
「もしイリーナ先生に動きがあったら連絡してください。先生、これからブラジルにサッカー観戦に行かねば!あ、サンバ!!」
というわけで、殺せんせーはさっさと決勝戦を見に行ってしまった。
「びっち先生大丈夫かなぁ。」
「だめ、やっぱ繋がんない…」
「桃花。私も何回か連絡してるけどなかなか繋がんなかったらから、多分むりかも。」
「GPSや公共の監視カメラにも気配がありません…」
律もネットワーク上で探してくれているみたいだがそれでもダメなようだった。ほんとにどうしたんだろう、イリーナ先生。なんかあったのかな…なんて考えていた時だった。