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月が欠けた日から…

第18章 イリーナ先生のこと


「そっかそっか!大事にならず済んで良かったね!それと今、プレゼントあげたいとか大人にふさわしいとか!なら、こんなのはどう?」

さっきまでの話は花屋さんにも聞かれていたようだった。

「なるほど!花束ね!」

「プレゼントなんて選び放題の時代。なのに花が第1線で通用するのはなぜだと思う?心だけじゃないんだ!色や形、香り、儚さが人間の本能にピッタリとハマるからなんだ!」

「まぁまぁ、説得力あるね、ここのお花屋さん!」

私はそのお花屋さんの言葉にすごく納得してこれはもう買い確定になってしまうようだった。

「たしかに名演説。電卓さえ持っていなけりゃあ、ねぇ。」

たしかに、とみんなそう思った。だけどお花も無難にイリーナ先生からしたら嬉しいのかもしれない。

「で、どうする?これも花の縁だ!安くしとくよ!」

とまぁ、結局買うことになり、イリーナ先生への誕生日プレゼントが決定した。学校に戻ると渡すのは私たち…ではなく、これも2人をくっつける作戦、烏間先生から渡してもらうように頼んだ。

「イリーナに誕生日の花束?なぜ俺が?君たちが渡した方が喜ぶだろ。」

「烏間先生、あのびっちが必要な戦力だと思うならさー、同僚の人身商枠も大事な仕事じゃないのー?あー、俺らが花束用意したの、内緒ね?」

「一理あるな。わかった。俺が渡そう。」

そんな訳で作戦はいよいよ決行という手前まで来て、あとはイリーナ先生に渡すだけとなった。もちろん私たちはその状況を隠れてみるわけで…
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