第16章 戦いは体育祭で~恋のライバル?~
「なんで、はそうやってこういう時に俺の傍に来るんだよ。」
「えっ…?」
私はその一言に困惑してしまい、なんて返せばいいのか言葉が見つからなかった。
「がE組に行った時、が赤羽の隣に行った時、俺が何を思っていたのか知っているのか?」
急に声色が変わったかと思えば、気づけば学秀の腕の中にいた。
「がく…しゅう?どうしたの?なんかあった?私なんかしちゃった?傷つけちゃったらそれはごめん…」
私は焦って学秀に謝ったがどうやらそういうことではないようだった。これは今日の磯貝くんと同じ…。気づきたくないのに応えられないのに優しくしてしまう私は…
「今日は俺と一緒にいて欲しい。」
「…うん、いいよ。学秀のそばに今はいたい。」
というわけで今日は学鳳さんの家におじゃますることとなった。
「学鳳さん!お邪魔してます!」
私は学秀とダイニングホールで勉強していると仕事終わりの学鳳さんが帰って来ていた。
「あぁ、、来ていたのか。今日も蘭堂さんと朱里杏さんは夜遅いんですね。ゆっくりしてくといい。」
それだけ言い残し学鳳さんは部屋へと去っていってしまった。
「最近学鳳さん帰りこんなに遅いの?疲れてるようだし…」
「知らん。あの人とはそんなに話さないからな。気になるなら部屋に行くといい。仕事してるだろうが。」
私は学秀にはあまり学鳳さんの話はしないが、疲れた体で帰ってくる学鳳さんが心配でならなかった。
「わかった、後で覗いてみるよ!」
私はひと段落つけ、学鳳さんの部屋へと向かった。