第14章 二学期の始まり
結局その場は寺坂くんの一言で収まり、イトナくん自身も少し変化があったようだった。
「あのバカさ、言ってることは単純だけどあーゆー時にバカの一言が救われんのよ」
カルマもそう言っていた。
「イトナくん、目から執着の色が消えましたね。今ならその触手を切り離すことが出来ます。」
そんな訳でイトナくんの体から触手は取り除かれやっとこれでクラスメイトになれそうだった。
そして、1週間もした頃。
「イトナくん、一緒に帰ろー!」
「あぁ、悪い、今日も村松のとこでラーメンだ。」
というわけですっかり寺坂組だ。
「は俺でしょ。俺とかえろ?」
「なかなかイトナくん、一緒に帰ってくれないというか、予定合わないんだよねー。」
とか言いながら、一緒に帰ろうとした時だった。ラーメンに行くと言っていたイトナくんはなにやらごそごそと別の作業に入っているようだった。
「あれ?イトナくん、村松くんたちと帰らないの?」
そこにはなぎさっちと前原くんもイトナくんのそばにいた。
「なんか、昨日殺せんせーに一日中勉強漬けにされたからストレスでラジコン作ってるんだってさ。」
私はなぎさっちからそう言われ、その作っているというラジコンを見てみると以外にハイテクラジコンのようだった。とまぁ、いつの間にか男子はイトナくんの周りに群がっていた。