第14章 二学期の始まり
その時だった。
"パンッ、パンッ"
後ろからかわいた音が聞こえたと思ったらスプレーを撒かれ目の前が真っ白に覆われた。
「イトナを泳がせたのも予定のうちさ、殺せんせー。」
なにがなんだかわからず、スプレーが落ち着いたかと思えばイトナくんは消え、先生はドロドロに熔けているようだった。
「殺せんせー!」
「先生はイトナくんを助けてきます!」
そうして間もなく殺せんせーはイトナくんの元へと飛んで言ってしまった。(飛んでいくという言葉がここまで似合う人はいない)
「俺らを庇って回避反応が遅れたんだ」
「みんな、どうする…?」
私はそう尋ねたがみんな答えは決まっているようだった。
「行くぞ。」
「「うん。」」
律に殺せんせーの位置情報を教えてもらい、私たちは律の案内通りに動いた。目的地はそう遠くはなく、走って10分ほどでその場所に着いた。
「どこを狙ってく?」
「みんな、私にいい案がある。」
私はそうもちかけ、各自各々配置についた。
「やるじゃん、」
「よし、これで行こう!」
そうして始まった逆襲もあっけなく終わり、あとは問題のイトナくんだけだった。
「ネットが触手溶かしてる!」
「すぐ出してやるからな!」
そうして殺せんせーが放った言葉にシロさんはとっとと去っていった。
「だがしかし、強力な思いがある限り触手は癒着して離れません。」
私はイトナくんがこんな姿になっているのが見ていられずカルマに勘違いされてもいいと思い、泣きながらイトナくんに駆け寄った。
「イトナくん、大丈夫!?こんなんにされるまで辛かったよね、」