第12章 夏休みの波乱は…
そんな時だった。隣でなぎさっちの背中になにかが当たった。その瞬間、なぎさっちは殺意がプツリと切れたような気がした。
「そんなクズでも息の根止めりゃ殺人罪だ。てめぇはキレるに任せて100億のチャンスを手放すのか!?」
「寺坂くんの言う通りです!ふたりとも、そんな男を殺してもなんの価値もない。逆上しても不利になるだけです!」
私はこのふたりの言う通りだと思ったが、だけど今はそんなこと言っている場合じゃない。
「だったら!殺さずこのまま生かしておくのか!?殺せんせー、どうなんだよ!?言っとくけど、このままこうしているだけでもこれがやっとなんだよ!もう暑くてしょうがない!殺れるんなら殺らせてよ!」
私はそう叫びながら上の1枚を脱ぎ捨てた。殺れるんなら殺ってやる。
「おいおい、そこ水刺すんじゃねーよ。本気で殺させに来なきゃ意味ねーんだ。」
殺せんせーはどちらかを選べとかでも言うように目の前にあるスタンガンを取るように私たちに進めた。
「くっ…。なぎさっち、どうする?」
私が聞いたつかの間の沈黙、私だけに聞こえるように言った言葉は、
「寺坂の言う通り、死なない程度にぶっ殺す。、僕に着いてきて。」
私はこくりと頷き、なぎさっちの後へと続いた。