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月が欠けた日から…

第12章 夏休みの波乱は…


ということで、裏口から回る引率はいちばん身体能力の高い陽菜乃に任せ、私と烏間先生で正面へと回った。

(、絶対無茶はしないでね、烏間先生の言うことは絶対聞けよ。)

真剣な顔でカルマに言われたら頷くことしか出来なかったけど今の私なら、いける。

「烏間先生、少しの間、恋人役お願いします。」

「…あぁ、ここは2人で乗り切るぞ。」

私たちは頷いてドアを潜った。ここからはいつもの、桜ノ宮を演じるまでだ。

「こんばんは、ここのホテルの一室をお借りできるかしら?恋人と一緒に来てるのよ。」

「あなたのお名前と身分証を。」

「桜ノ宮よ。それと、これね。」

私は中学のころから貰っている桜ノ宮としての身分証。持ってきておいてよかった。

「あぁ、これは桜ノ宮のお嬢様でしたか!ではこちらへ。それとこちらがカードキーです。恋人様と一緒ということはお見合いを?」

「えぇ、そうなの。その方と一緒にってお父様が。」

そう言って烏間先生の腕に巻きついた。これで完璧。と思いながら私は心の中でカルマに謝った。
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