第12章 夏休みの波乱は…
烏間先生も何が何だかという様子だった、その時だった。
"プルルルル"
烏間先生のスマホが鳴った。
「…何者だ?」
烏間先生は眉間にしわを寄せてなにやら難しそうな顔をしていた。
「烏間先生…?」
私は烏間先生のスマホから聞こえる声から情報を聞き取った。それによると賞金首と解毒剤の交換、それを持ってこさせるのはカエデとなぎさっち。そして、私も含まれているようだった。地図も送られてきていた。
「くそっ。一体誰なんだよ…。」
「やはりか。あそこの山頂のホテルは政府とのパイプが強く、闇ものが多く入り込んでいる場所でな。」
というと、
「なるほどね、そんなホテルがこちらの味方になるわけが無いね。」
カルマと同じことを思っているようだった。
「んでもって、言うこと聞くのも危険すぎるな。こんなちんちくりん共に行かせりゃ人質増やすようなもんだろ!」
寺坂くんの思っていることも多少共感できるところはある。だけど、どうやって…。そう思っていたらいい案を思いついた。ここにその闇もの人物1人いるじゃんか。
「私にいい考えがある。そのホテルが政府と裏が繋がっているのであれば、私を使えばいい。桜ノ宮として、顔が割れている分私が1番入りやすい。」