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船上の医師

第3章 君の肩には


前世の知識があったからたまたま天才扱いされてるだけであって。そう言われると謙遜ではなく本当に違うんです、と言いたくなる。
「それでウチの千空が矢張り何か粗相を……」
「いえ、そんなことは無く。たまたま外でロケットを作られてる所を拝見しまして、幼いながら科学への造詣も深いようでして。是非ともウチの七海財閥系列の大学で将来学んで欲しいと」
 要するにスカウトです、と雪乃。絶句する白夜に、ですよねと同調する。こんな嘘くさ過ぎる話、さすがに無理が
 
「それはまた……!ありがとうございます。ぜひ検討させて頂きますので、後日また正式な対談の場を設けたいのですが」
 えぇええええ白夜さんに話通った〜〜〜!?!実は私も大学教員でしてと名刺を差し出される。
「息子は昔から科学に興味がありまして。出来るだけ良い所に通って欲しいんです」
 片親でなかなか厳しい所もあるかと思うのですが、と語る白夜。その言葉を、龍水と雪乃は静かに聞いていた。そうだ、白夜は大学の講師だ。故に大学病院で働く雪乃の話も信用出来るし、良い教育を受けさせたい気持ちもある。雪乃は何処かまだこの世界のキャラの事を『漫画のキャラクター』としてのフィルター越しに見ていた事に気付かされた。血は繋がっていなくとも、——白夜は、確かに千空の親なのだ。片親であるあまりに金銭面できっと苦労もしてたのだろう。白夜は確かに生きているのだ。今、雪乃の目の前で。
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