第1章 未知の味
「司祭様!ピュアヒューマン、いや、
それよりラキが……!とにかく大変だ!」
レグナが知らせに来た門番を押し退け駆けていく。
司祭はふむ、と顎を撫でた。
やはり異界児は異端児、馴染めはしないのか。
「なにがあった?」
「それが……ラキがオーガのようになってピュアヒューマンを襲ったらしく」
「オーガですか……」
オーガの巨体は凄まじいパワーをもち、
どんな種族も関係なく襲いかかって食べてしまう。
その狂暴性は魔物随一とも言える。
体の大きさこそドラゴンやトロルに敵わないものの、
吸血鬼であればひとたまりもないだろう。
「これは、やはりラキは村には置いておけませんね」