第3章 縁談
「え?縁談相手が決まったのですか?」
仕事終わりに帰宅すると一夫が待っていた。
「そうさしかも相手はお父さんの顔馴染みの警察庁のトップの部下の人だよ」
いやー楽しみだな、孫の顔が早く見たい
そんな一夫の言葉がどこか遠くへ遠のいていく感じがしたーー
「写真はあるけど見るかい?」
一夫の一言でハッと現実に戻された気がした
「いいえ、写真は結構ですお父様のお知り合いの方なら悪い方はいらっしゃいませんから。」
微笑を浮かべた
ーーーうそ、ほんとはあの人を忘れられないからだから少しでも現実味がないように目を背けるのーーー
ーーさよなら愛しい人ーーー