
第8章 日常

「...ろさん、」
「安室の兄ちゃん!」
「え?」
「大丈夫?ずっと読んでも返事がなかったから」
「ああごめん少しぼーっとしていたよ」
「..そう?大丈夫ならいいんだけど」
危ない。ここでは安室透。カホとは初めて会う設定なのだから。カホの話を聞いてショックを受けている場合ではなかった。
そんな安室の反応をみてコナンはある賭けを安室に試してみた。
「ねえねえカホ姉ちゃん。この前会った元太たちがまたカホさんに会いたいって言ってたんだ」
「ああ!あの時の嬉しいな覚えててくれたんだ」
カホはつい頬が緩んだ。
「でね、元太たち公園でサッカーして沖矢さんのカレーを食べてからカホさんと合流したいって言ってたんだけどカホ姉ちゃん沖矢さん家にこれそう?」
さあ安室さんはどうでるか..?
「えカホちゃん沖矢さんと知り合いだったの?」
「ええまあちょっと前にお世話になったの」
安室はシンクで洗い物をしているが意識はそっちに向かっていない
「へぇーどうりで」
その瞬間園子はニンマリと笑った。
「へ、な、なに園子ちゃん、?」
「この前沖矢さんが【成瀬さんとはどのような方ですか?】とか
【やはり女性を食事に誘うときは直接の方がいいですか?】とかいろいろ私たちに聞いてきたんだよ。ね?蘭?」
「そうそう、あの時の沖矢さんほんとにカホさんに夢中だったよね!」
怒りを鎮めるのに精一杯だった。降谷
『やつなんかにっ!赤井秀一にカホを渡してたまるかっ!!』
「ほんとにカホちゃんは人妻なのに男を虜にしちゃう悪女なんだからっ!」
2人はきゃーと歓声を上げながら盛り上がっている。
そんな2人を余所にカホは顔を赤らませていた
『こいつらが盛り上がってどうすんだ..』
コナンは苦笑いを浮かべていた
ガチャン!静かな店内に響き渡るガラスが割れた音
「安室さん大丈夫ですか?」
「すいません梓さんカップを割ってしまいました。」
その時コナンの中の推理は的中したと判断した
少しカホさんと安室さんには悪い思いをさせてしまったが
「ごめんなさいコナン君せっかくだけど今日買い物して帰らなきゃいけないの。また誘ってくれる?」
「うん!もちろんだよ!」
日が暮れコナンたちと別れたカホ
『安室さん、れいくんみたいでかよかったなあ。安室さんが恋人ならよかったのに...って私なんて最低なことを』
1人夕日に包まれながら歩くカホだった
