• テキストサイズ

その力、分けて貰えませんか?【ワンピース】【ロー】

第1章 第一章 海賊に世話になる


「私は、アムラティ・ラナ。ごく普通の平凡な家の生まれです。それなりにお金もあって、それなりに言うことも聞いてもらえて、それなりに物も買ってもらえて…。
ですが、そんな毎日をあの憎い果実はぶち壊したんです。
そうですね…あの果実は、家庭菜園用の庭に落ちていました。
不思議な模様をしていて、美味しそうとは思えなかったのですが…。
あの時の私はどうかしていたんですかね。
親……特に父親から「食べるなよ」と釘を刺されておきながら、あの果実を食べてしまったんです。
食べた数日後、私の住む町で1番の大金持ち、【バゼルダ】という男が来ました。
彼は…「お前を俺の屋敷に招待してやろう。」そう言って、私の言葉なんて聞かずに連れ去りました。
招待という名の拉致です。
それが…2ヶ月ほど前の話です。
昔からバゼルダはお金は持っていましたが人望などはめっきり無い男でしたから…奴隷のような扱いになるのは最初から分かっていましたよ。
でも…私の扱いは他の奴隷達とは違った。
後に知ったのですが、私の食べた果実は悪魔の実の【ワケワケの実】。能力___知識や技術など___や、物を切り分けたり、二つに分けたりする事ができる能力ですね。あなた方なら、聞いたことはあるでしょう。」

「!!」

ロー含め船員全員が口をぽかんと開けて呆気に取られた。
何しろ、ワケワケの実はこの世で恐らく唯一………かどうかは分からないが、とにかく珍しすぎる、複数の能力を手に入れられる能力なのだから。
そして、その実の能力者が目の前の、銀髪にサファイアのような綺麗な瞳の可愛らしい少女だというのだ。
驚くのも無理はない。
…まぁ、この容姿も彼女に自覚はない。

そして少女はまた口を開く。

「彼の扱いに耐えられなくなって…ワケワケの実の能力でキッチンの炎を二つに分けて床に落としました。
黙認されている奴隷の子達は、柵や鎖を能力で切り分けて逃しましたが…この能力は体力を使うのですね。おかげで、火事からはなんとか逃れましたが屋敷から出た矢先で倒れてしまったんです。
なんとか意識を失う寸前で物などの下に潜り込んで、煙があればなんとかバゼルダには見つからないというくらいまで来た時に意識を失いました。
トラファルガーさんが見つけてくれたのはその時でしょうかね?」
「…。」

船員が全員黙り込んでしまった。


ローが口を開く。
/ 31ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp