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その力、分けて貰えませんか?【ワンピース】【ロー】

第2章 第二章 ただの船員…の、はず。


「…出港は、いつだったかな。でも、今日中っぽいなぁ…。」
街をぶらぶらと歩きながら、ラナは呟いた。
「ロー。…あの人の事だし、きっと冗談だとかそんなのだよね…。」
「ねぇねぇ、ラナ!」
「きゃっ!!あ、『キキ』…。脅かさないでよ…。」
キキ、そう呼ばれた銀髪をポニーテールにしている若干低身長の少女は、高い可憐な声で再び話し始めた。
「アレ、本当?今ならまだ戻れるんじゃないの?」
(無理に連れて来なくても、自分の意思で来てくれるならそれが一番だもの。)
ククと相談し、1番適任だと言われたのが「キュートの『キキ』」だったのだ。
「…いいのよ。こんな嘘ばかりの『禁忌の銀髪』のエルフ、あの人達も船に乗せたくないだろうし。」
「それは分からないじゃない。面白いこと言うわね、ラナ。」
「!!、それは綺麗事と言うものよ。」
「ふーん、そう。ならもう知らない。私達の居場所はあなたが決める事だもの。」
「…。」


「ロー。」
キキとは反対に、ラナよりも高身長の短髪のエルフが船の中で口を開く。
「…どうした。」
「キキが説得に失敗したわ。」
「…自由に見えんのかよ、他の性格の奴らとか本体の様子とか。ってか、キキ…あぁ、『キュート』か。」
「俺が戻っておけばよかったな。アイツ、冷静さを欠いてる。」
「分身として出てきた者に入ってる性格は、本体からは抜けるんだな。」
「完全に抜けたらチョットアレだから、少しは残してるよ。あ、体の大きさは、性格と、本体から抜き取った多さに比例してる。性格的にはまぁ俺が高身長なのも分かると思うけど、それと同時に本体に元々入ってる冷酷さも多いんだ、あぁ見えてな。」

「………そうは見えないんだが…。」
「ま、まぁそう落ち込むな。情事の時は俺は抜けとくから…。」
「………配慮感謝する……。」
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