その力、分けて貰えませんか?【ワンピース】【ロー】
第2章 第二章 ただの船員…の、はず。
ラナside
ローが、あんな顔をするなんて。
「………チッ、勘のいい女は、これだから嫌なんだ。」
そう言った時のローは、おにぎりをくれた時とは似ても似つかない顔立ちだった。
元は同じはずなのに、こうさせてしまうのは私のせいだ。
整った顔立ちも、船の戦力も低下させるくらいなら、私は船に乗らないほうがいいだろう。
ロー……あんなに、私の事が好きって顔をしていたのに。
本当は気づいてたのよ?
私だってそんなに馬鹿じゃないし、天然でもない。
…まぁ、クール____冷静な『私』を抜いてる時は分かんないけど。
…本当は気づいてた。
ねぇ、ロー。
私は醜い女よ。
天然なフリをして、若いフリをして、貴方みたいな綺麗な男性を何人も陥れてきた。
気づいていた?私の『耳』。
気にしていると思って黙っていたのか、普通に気づいていなかったのかは今となっては分からないけれど。
…私はエルフなのよ。貴方よりも、長く生きてきた。
まぁ、顔立ちと体が幼いことからわかると思うけど、そんな何千年とか生きてるわけではないのだけど…。
なのに、少女のフリをして。
…20代後半くらいの知識はあるくせに。
フフッ、滑稽な話。こんな事になるなら黙っていた方が良かったのかな、分身の事。
…叶わないとは分かっているけど、もし、もう一度、もう一度貴方に会えたなら…
エルフの、28歳の私を愛して欲しい。