その力、分けて貰えませんか?【ワンピース】【ロー】
第2章 第二章 ただの船員…の、はず。
少し廊下を歩くと、綺麗な部屋に通された。
すると、豪華なトレーの上に、探し求めていた物を映し出したのだ。
「お探しのお品は、こちらでしょうか。」
「!!、凄いわ、この店。ありがとうお姉さん。こちらはいくらでしょうか?」
「無料で構いません。あなた方が元々持っていた物なのでしょう?」
「………ありがとうございます。甘えさせていただきますね。」
ちゃら、と音を立てて少し大きめな耳飾りを手に取った私は、そのままローにそれを渡した。
「…何故俺に渡す。」
「私が付けるか持つかしているより、あなたに持っていて貰った方が安全だもの。誰に狙われるか分からないし。」
「そうだな。俺が預かっておこう。…船に戻ったら付けてやる。」
「うん、ありがとう。」
店の人にお礼を言い、コツコツと街中を再び歩き出した。
「上着だな、次は。コートとカーディガン?でも買えば満足か?」
「満足か、って…随分と高圧的な態度なこって。まぁいいよ…。そうだね。色々な季節の島を巡るそうだし。」
「………あの店なんかどうだ?」
「ん、いいじゃない!あそこで買うわ!」
たたっ、と私が駆けて行くと、溜息のような声が聞こえて、すぐ後にローも駆け出してきた。
「…お前金持ってねぇだろ。」
「あはは…。」
アンティーク調なドアを開けると、期待を裏切らない服達が見えてくる。
「いらっしゃいませ。旅のお方でしょうか?…って、ラナちゃん!?」
久しぶりだ、まさか叔母さんに会えるなんて。
前にやっていたお店の外観じゃ無いから、気づかなかった。…そういえば、リフォームするとか何とか言ってたっけ。
「えぇ。この人は旅の人、私はその旅の人に新しくついて行く船員よ。」
「そう。…貴方、名前も分かりませんが…どうかラナちゃんをよろしくね。」
「…あぁ。必ず守る。」
「…ありがとう。それじゃ、今日はどんな服でも持っていって良いわよ!」
「え、お金は!?」
「親族からお金を頂くなんて、そんなの商売じゃないね!__遠慮せず持ってお行き。」
「…ありがとう、メルヴィン叔母さん。」
そして、服を5、6着選ぶと、何処からか紙袋を出して入れてくれた。(まぁ多分カウンターの何処かにあるんだろうけど、そうは見せないくらい手際が良かったんだよね…)
「それじゃあね、ラナ。」
