その力、分けて貰えませんか?【ワンピース】【ロー】
第2章 第二章 ただの船員…の、はず。
「見つかるかな、耳飾り。」
「そんなに特別な宝石でも入ってんのか?俺の能力で探してやっても良いが…。」
「いや、それはいい!体力を使うのでしょう?少しだけど、息が荒れてる。…そうは見せない演技力に驚いてるけど。」
「…そ、うか。…よく気づいたな、お前…。」
「いいや、特技なんだ。病人とかは、パッと見ただけで苦しんでいる箇所が分かるの。…まぁ、ただのお医者さんの真似事よ。外れたことはないけど、処置は出来ないから意味がないの。」
「…ふぅん。で、耳飾りは何故そう簡単に見つからないんだ?」
「えっと…
この世に、一つしか無い物だから、さ。」
「…なん、だと?」
「うん。バゼルダに捕まった時に付けてて、その時パッパと売られちゃったの。肌身離さず持ってたのが裏目に出たや…。」
「…そう、か。」
「その耳飾りには、さ。私の能力で、ある人の能力を入れてあるの。その人が気絶しても、死んでも、どうなっても、この力は消えない。間で私を通してるからね。」
「…どんな、能力だ。」
「…私が実を食べて、バゼルダに捕まるまではかなり短かったけど…その間に仲良くなった海賊の人がいたの。ちょうどその時滞在していてね。…今は居ないけど…。……ユメユメの実の能力者の、リフィーっていう女の人。」
「!!」
「…え、知ってるの?」
「相手は俺の事を知らないだろうが、アイツとは一度会ってみたかったんだ。何しろ…人間を夢に落とし込む能力があるんだろう?」
「!!、その通りだよ。なんで、会ってみたいの?」
「…コラさんと寝た時の感覚を、思い出したかったからだ。あの人は、ナギナギの実を食べた無音人間。防音壁を張って、安眠させてくれたのは…もう10年近くも前か。あの時のコラさんと同い年になっちまったんだな…。」
「…そう。「あの」コラさん、か。」
「…あぁ。まぁいい。そんな雑念でお前の耳飾りを探すなんて、お前に嫌われちまう。」
「別に、人それぞれやる気は違うと思うけど…まぁちょっとキレるかな。」
「キレてんじゃねーか。」
「ふふっ、なんかローと話してるとリフィーとの事思い出しちゃうや。ちょっと前のことなのに、懐かしいな。」
「…耳飾り、探すぞ。」
「…うん。」