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日の守護者【鬼滅の刃】

第10章 遊郭後編


その刹那。


宇髄は妓夫太郎に向け攻撃を仕掛ける。
それよりも速く妓夫太郎は堕姫と共に姿を消し、部屋の隅へと攻撃を避けた。


「泣いてたってしょうがねえからなあ、頸ぐらい自分でくっつけろよなあ」



名前は目を見開く。
自分が妓夫太郎から一旦逃げた時、気配は常に気にしていたはずだ。
堕姫に吸収された形跡もなかった。


いつからそこにいた?


そう考えていると隣の宇髄が続けて攻撃を仕掛ける。
しかし名前は嫌な予感を覚え宇髄を追う。


『宇髄さんっ!!近づいちゃだめだ!!!』



その叫びは一歩遅く、妓夫太郎の攻撃が宇髄を襲い、額に一筋の傷を受けた。





ーー






宇髄さんが傷を負った。
禰󠄀豆子は眠ってしまっている。
速く鬼を倒さなければ柱は名前一人になり、勝率は下がる。

堕姫も泣いてはいるが、確実に回復してきている。

妓夫太郎が鎌の攻撃を仕掛けると、名前は刀を握る。


『壱ノ型、暁の虚空』


音が消え、名前の一筋の斬撃が鎌を弾く。
そのまま名前は体を捩る。


『弐ノ型、彼岸花!!』


瞬きの速さで次々と攻撃を仕掛ける。
妓夫太郎もそれを鎌の攻撃で相殺し、さらに爆発させる。
建物が大きく壊れ、煙が立ち込めた。



「妬ましいなぁ」



妓夫太郎は宇髄と名前を交互に見つつ、小声で何かを喋っている。



「いい男じゃねえかよ人間庇ってなぁ格好つけてなぁ、さぞや好かれて感謝される事だろうなぁ」
「まあな。俺は派手で華やかな色男だし当然だろ。女房も三人いるからな」



宇髄の言葉に妓夫太郎は激昂する。
いらん事を言うなと名前は思うももう遅く、妓夫太郎は鎌を構える。


「血鬼術、飛び血鎌」


その瞬間、宇髄が名前に目配せで合図を送る。
宇髄が爆弾の丸薬を破裂させる。
名前は小さく頷くと素早く宇髄の後ろに居た遊女と男を抱え、破裂でできた穴を飛び降りた。


一瞬で一階に戦場が移る。
名前は遊女と男を抱えたまま建物から転がり出た。


『早く逃げて、身を隠すんだ』
「は、はいっ」


二人が逃げるのを見つつ、名前は傷一つ負わない上弦の陸を見据えた。



「俺たちは二人で一つだからなぁ」
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