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日の守護者【鬼滅の刃】

第10章 遊郭後編


「くそがっ、小賢しい真似しやがるなぁ」

青い炎を搔き切るように消すと、名前の姿も消えていた。



今のは攻撃じゃねえなぁ。時間稼ぎだ。
しかも斬撃の中に藤の花の毒を仕込みやがったなぁ。
体が痺れるが、すぐに解毒できるからこれも時間稼ぎの一種だなぁ。
ああ……すぐに殺しておくんだったなぁ。
まあいいか、すぐに追って殺すしかねえなぁ。


妓夫太郎は藤の毒で皮膚が爛れるのを治しながら遠くに消えた名前の見えない後ろ姿を追っていた。




ーー




『はぁ……はぁ……』


あの瞬間、技を二回だした。
一回は攻撃と共に藤の毒を妓夫太郎に浴びせるため。
もう一度は妓夫太郎から一瞬で離れるため。
蒼穹の炎天は捻る事により衝撃が天の呼吸の中で一番強い。
逃げるような形にはなるが、今は合流するのが一番いい。

しかし、妓夫太郎から受けた鎌の毒はすでに限界だ。
なんで走れているかも分からない。


……ふと、視界の向こうに破壊された街と


禰豆子を見た。




傍にるのは妓夫太郎が言っていた堕姫だろうか。
潜入している時に見た蕨姫花魁の面影がある。
そうか、そうやって姿を隠していたのか。


禰󠄀豆子は前に見た時より成長したような姿であり、鬼の角や文様が皮膚に浮かんでいる。
あからさまに鬼化が進んでいる禰󠄀豆子は一方的に堕姫を攻撃する。

『あのままじゃ、いけない……』


今は堕鬼を敵視し攻撃をしているようだが、あの状態ではすぐにその矛先は人間に向かう。
そうしては駄目だ。



『禰󠄀豆子ッ!!』



堕姫が一瞬の隙を突き禰󠄀豆子に向けて帯の攻撃をする。
名前は最後の力を振り絞り禰󠄀豆子と堕姫の間に入り帯を受け止めようとする。

が。


赤い炎が堕姫と、名前を包んだ。







ーー




炭治郎は夢を見ていた。
家族の夢だ。

さっき、俺が俺でなくなりそうになった時も花子が助けてくれた。


そして今度は


竹雄が何か言っている。

遠くから、何かを懸命に叫んでいる。





「兄ちゃんたすけて、姉ちゃんが姉ちゃんじゃなくなる」







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