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日の守護者【鬼滅の刃】

第9章 遊郭前編


「そうか」




遊郭を見渡せる屋根の上。
名前は宇髄に京極屋で聞いた事を話していた。


『その花魁が鬼なんじゃないかと思うのですが』
「まぁ、今の話からすればそうだが」
『そう……なんですよね』

二人は考え込むように俯く。


花魁が鬼だとしても、別々の店へ潜入していた宇髄の嫁が三人とも一度に消えると言うことは鬼は血鬼術で分裂が出来たり、あるいは複数居る。


『さっき言った京極屋の蕨姫花魁は多分上弦ではない。でもこの気配は』
「他に上弦が居ると言うことか」


名前は目を細め頷く。

「確かに、いやぁな感じはするが鬼の気配ははっきりしねぇ」
『気配を感じ辛い方が上弦……ではないかと』



まだ鬼の正体が分からない中で今は無闇矢鱈に動けないが、鬼側は善逸が消えた事により鬼殺隊が近くまで来ている事を察知しているだろう。
近いうちに動き出すだろう。



「だとすると、ド派手な殺り合いになるかもな」
『俺は気配を感じ辛い方を探ってみます』
「すまんが、よろしく頼む。俺はガキ共を花街から出した後、京極屋に行く」



そう言うと、二人は屋根から姿を消した。




ーー





次の日の昼下がり。



「こういう奴がいるんだって!!!」
「うん、それはその、ちょっと待ってくれ、そろそろ宇髄さんと名前さんと善逸も定期連絡に来ると思うから……」


所変わってある店の屋根の上。
炭治郎と伊之助は定期連絡のために店を抜け出して集まっていた。
しかし、善逸はおろか宇髄や名前も時間になっても現れない。
鬼の存在を確認した伊之助が炭治郎に身振り手振りで説明をしていると



「善逸は来ない」



宇髄が風の音も立てずに二人の横に姿を現した。



「善逸が来ないってどういう事ですか」



炭治郎が聞く。
宇髄は善逸が昨晩から連絡を絶っている事、相手が悪いから二人にこの街から出るように言った。


「鬼の方はもう名前が調べが着いている。消息を絶った者は死んだと見なす。あとは俺と名前で動く」



そう言い残し宇髄は足早に消えた。
納得のできないような顔をした炭治郎と伊之助は二人で話し合い、それぞれ夜になったら動こうと決めた。



そして、だんだんと日は傾いていき、動きだす。


鬼殺隊も。

そして、鬼も。
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