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日の守護者【鬼滅の刃】

第8章 異変


強くならなければ。
柱になった今でも力不足を感じる。


強くなり続けなければ、鬼舞辻は倒せない。
兄は倒せない。

呼吸を一から鍛え直す。

ゆっくり息を吐いて
そして、肺にたっぷりと息を入れる。

それを繰り返す。

ゆっくり
ゆっくりと。




ーー




「名前……さん」



名前を呼ばれて目を開ける。
目の前には、炭治郎が居た。


『炭治郎……どうしてここに』


ここは名前の自邸の修練場だ。
煉獄の死後、名前は毎日任務と仕事の間にここで瞑想をしていた。
名前は胡座で座る自分と目線を合わせるように膝をつく炭治郎を見て首を傾げた。




「サナエさんが入れてくれて……道場に入る時も声は掛けたんですが、集中してらしたので……」
『ああ、すまない……』



集中を解き、足を正座に組み直して座る。
名前は炭治郎にも座るように促した。



『傷の具合は大丈夫?』
「はい、大分良くなりまして、任務も再開してます」
『それは良かった』


炭治郎も無限列車の任務で深い傷を負っていたが、任務に復帰できるまでに回復していた。
煉獄が死んでからもう三ヶ月以上が経っていた。



『そういえば鋼鐵塚さん、大丈夫だった?』
「あー……あの時ですね。いや、すんごく追いかけられました……」



前に鋼鐵塚が蝶屋敷に乗り込んだ事を思い出し聞いてみるも、炭治郎の表情から相当追いかけられた事が伺えた。
げっそりとした炭治郎に名前は苦笑いを浮かべた。


『で、何か用があったんじゃない?』


炭治郎がわざわざ名前の道場まで足を運ぶのは何か理由があると思い聞いてみる。
炭治郎は思い出したように座り直した。


「名前さんに、ヒノカミ神楽を見てもらいたいんです」


炭治郎の言葉に、名前は少し驚いたような表情を見せた。
名前はヒノカミ神楽、所謂日の呼吸の技を見た事が無い。
伝承によってどのような技があるのかはなんとなく分かってはいたが、こんなにも早く目の前で見れる日が来るとは。

炭治郎は続ける。

「そして、名前さんの天の呼吸を見せてもらいたいんです。日の呼吸を守る呼吸なら、ヒノカミ神楽と天の呼吸は似ているんじゃないかと思うんです」

そう語る目は、決意に燃えていた。
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