第7章 無限列車
三日後の夜、名前は件の駅に居た。
今日から列車の運行が再開されるのもあり、駅は久しぶりに賑わっていた。
煉獄は既に大量の駅弁を抱え列車に乗車していった。
その後ろ姿を見届けると、名前は駅構内の見回りを始めた。
煉獄が昨晩切り裂き事件の犯人と思われる鬼を斬ったが、行方不明事件の犯人はまだ分からないでいた。
鬼の仕業なら、人間がたくさん出入りする今日が一番出没する可能性が高い.
ふと、人混みの中に知っている顔を見掛けた。
炭治郎と、善逸と伊之助だった。
あちらも名前に気づいたのか手を振りながら近寄ってきた。
「名前さん!!」
『炭治郎、善逸と伊之助も一緒か』
「名前さんも無限列車に?」
『いや、俺は駅の警護だ。煉獄さんはもう乗り込んでるよ』
そう教えてあげると炭治郎達は列車の方を見る。
「賑やかですね」
『久しぶりに列車が運行されるからね。だからこそ、いつ鬼が襲ってくるか分からない』
「そうですね……」
名前の言葉に炭治郎達は顔が強ばる。
「ひぇっ!?ここ鬼出るの!?いやーー!!」
「どこだ!?鬼はどこだっ!?」
『ほら、もうすぐ出発だから行きな。切符も買わなければいけないだろう』
騒がしい三人を見送り、列車が出発したのを確認すると駅員に気づかれないように線路を調べ始めた。
ーー
一方、無限列車では。
「ヒノカミ神楽という言葉は初めて聞くな!!日の呼吸は先日名前から聞いたが!!詳しい事は知らん!」
「やっぱりそうですか……」
無事に煉獄と合流できた炭治郎は、煉獄にヒノカミ神楽の事を聞いていた。
「炎、水、雷、岩、風が基本の呼吸だ。他の呼吸はそこから枝分かれしていったもの。日の呼吸は基本のさらに基本、はじまりの呼吸と聞いた!」
「はじまりの呼吸……」
「溝口少年!君の刀は何色だ!」
「俺は竈門ですよ!色は黒です!」
煉獄は炭治郎の方を向いた。
「黒刀か!それは名前と一緒だな!」
「はい、以前見せてもらいました」
「黒刀の柱は名前以外見たことが無い!極めるとしたらやはり、日の呼吸あたりなのだろう」
柱合会議で名前から聞いた情報を炭治郎に教えていると、ついに列車が動き出した。