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日の守護者【鬼滅の刃】

第2章 歯車が動き出す


炭治郎は任務に向けて新品の鬼殺隊の隊服に袖を通す。
名前はその様子を見て小さく微笑むと、炭治郎が慌て出す。


「な、何かおかしなとこでも……」
『あはは、すまない、初々しいなと思って』



よく見れば名前の隊服は年季が入っており、炭治郎のと比べるとそれがよく分かる。



『この隊服は通気性は良く濡れにくく燃えにくい。特殊な繊維でとても丈夫だ。雑魚鬼の牙なんて気にする必要無いぐらいね』
「そうなんですか……すごい……」


隊服を整える炭治郎に、鱗滝がなにやら用意していた。
人より少し小さめの木箱。
この中に妹の禰豆子を入れ、背負う事で一緒に行動するらしい。
禰豆子は意思疎通は少し乏しいもののこちらの言っている意味を理解するのは容易なようで、炭治郎が一言言うと素直にその木箱へ入った。



『準備できたようだね』
「はい!名前さん」
『では、行こう。鱗滝さん、お邪魔しました』
「行ってきます」
「うむ」




鱗滝は少し心配そうに炭治郎と木箱の中の禰豆子を見送った。




……





『炭治郎』
「なんですか?」


炭治郎の任務へ向かう道中、名前が炭治郎を呼び止めた。
名前は少し間を開けるが、一息吐いて炭治郎に問う。



『その耳飾り』
「耳飾りですか……?」



突然の質問に炭治郎は首を大きく傾げた。
そういえば、最終選別の時に会った時も、名前は炭治郎の耳飾りを見て驚いていたように感じた。




「これは俺の家に代々伝わってるもので……この耳飾りと、ヒノカミ神楽っていう神楽を長男である俺が受け継いでいるんです」
『ヒノカミ神楽……』




初めて聞く名前。
日の呼吸という言葉が出るかと思ったが、そうではなかったみたいだ。




『炭治郎は「日の呼吸」という呼吸を知っているか?』
「火の……呼吸……?炎の呼吸ですか?」



反応からして、知らないようだ。


『いや、少し気になっただけだ…すまないな、変な事を聞いて』
「あ、あの……その「火の呼吸」って……?」
『それはまた今度に』



気がつけば、炭治郎の任務が言い渡された街の近くまで来ていた。
名前は半ば炭治郎の質問を遮るようにして炭治郎を任務へと向かわせた。
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