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日の守護者【鬼滅の刃】

第11章 兆し


鐘白鉄之助、十五歳。
名前の刀を打った刀鍛冶。
名前が鬼殺隊に入ってからずっと刀の担当しており、最初に打ったのは十一歳。
その時点ですでに一流の刀鍛冶と肩を並べるほどの天才だった。
成長期前の小柄な体格からは想像もできないほどの力強く刀を打つ姿は印象深い。


名前は自宅も近かったので鉄之助を自宅に招き入れ、座敷に上がり向き合って座っていた。


「もーー!!死にそうだっだって聞いたから心配したよ!あ、うん!刀のね!?折れてない?刃こぼれしてない?長に怒られるの俺なんだよねーー」
『俺の心配は』
「刀の次に心配してた!!というかその痣なに!転んだ?」


多少言葉選びは雑だが、名前と鉄之助は昔から関係は良好だった。
ひょっとこの裏で怒ったり怯えたり笑ったり、ころころと表情が豊かな鉄之助は名前に近寄ると名前の横に置かれている刀を見る。
名前はそれを見て刀を差し出した。


『折れてないし大丈夫だと思うけど、上弦と戦った後だしちょっと研いでほしいな』
「にはは!!そう言うと思っていた!!久しぶりだしな!」


名前の言葉にひょっとこの面が明るくなる。
自分の打った刀で上弦を倒したのが嬉しいらしい。


「そして名前よ!!柱になったのなら一つやらねばならぬ事があるぞ!!」
『え、なんだっけ』


名前は首を傾げた。



「刀に悪鬼滅殺を彫るのだ。柱の刀はみんな彫ってある!まさか俺が彫れるとは思わなかったがな!!」


そうだ。
昔は刀に「悪鬼滅殺」や「滅」の文字をよく彫っていたそうだ。
今は柱にならなければ彫ることはできなくなっている。

天柱となった名前も、その文字を彫る権利がある。



「というわけで刀は預かっていくぞ!!もっと上弦と戦えるように打ち直すから一ヶ月はかかると思うがいい!!」
『一ヶ月!?』


流石の名前も一ヶ月使い慣れた刀を手放すのは痛い。
今の状況だと、いつ上弦が攻めてきてもおかしく無い。


「なんだ?代わりの刀じゃ不安か?じゃあ里にくるか?」


鉄之助の言葉に、名前は口を開いた。
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