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日の守護者【鬼滅の刃】

第11章 兆し


遊郭での戦闘から数日後。

まだ傷は痛むがある程度回復し蝶屋敷を後にした名前は宇髄邸へと足を運んでいた。
入り口の大きな門を開けると、気配を察していたのか嫁の一人の雛鶴が出迎えてくれた。


「こんにちは苗字さん、お体の調子はどうですか」
『おかげさまで、宇髄さんは』
「準備は整っていますよ。案内しますね」

雛鶴はそう言うととりあえず家の中へと名前を案内してくれた。


宇髄の部屋を開けると隊服ではなく着流しを身にまとった宇髄がいた。


「よぉ、元気そうじゃねぇか」
『宇髄さんこそ。腕と目を失って数日でここまで元気とは』

苦笑いながら名前は呟く。
宇髄は腕と目を失い柱を降りるとすでにお館様や他の柱に伝達がされていた。

「じゃあ、行くか」
『はい』

二人は産屋敷邸へと出発した。




ーー






産屋敷邸に着いた名前と宇髄は広い座敷の襖をゆっくりと開ける。
そこには産屋敷が顔のほとんどを包帯に巻かれた状態で横たわっていた。
傍には妻のあまねが一礼して迎え入れてくれた。


「音柱宇髄、天柱苗字、参上致しました」
「よく来たね、天元、名前」

宇髄がそう言うと、ゆっくりと産屋敷が起き上がろうとする。


『お館様、ご無理なさらずに横になっていてくださいませ』
「そう言うわけにもいかない。上弦を倒してくれた子供達の前で横になっているなど」


そう、産屋敷はあまねの手助けを借りて起き上がった。


「二人とも、命を賭して上弦を倒してくれてありがとう。これで鬼舞辻討伐に一歩近づいた」
「いえ、俺たちは当然のことをしたまで。お館様の采配があってこそです」

宇髄が首を振りながら言う。
名前も産屋敷の言葉が心に沁み目を伏せた。


「天元は……やはりもう戦闘は難しそうだね」
「申し訳ありません、残念ですが、腕を失い、片目ではもう」


宇髄の様子を見て産屋敷は少し悲しそうに言うが、宇髄の想いを尊重して産屋敷はそれ以上何も言わなかった。


「名前は傷の様子はどうかな」
『はい、俺は大丈夫です。あと数日もすればまた任務に復帰できます』
「そうか、ありがとう。傷の治りが早いのは……その痣のせいかな」


産屋敷の言葉に、名前は目を細めた。
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