第2章 再会はこの場所で、ケーキと共に
「厄災が復活することは、きっと知ってますよね」
ゼルダの質問に、は頷く。
「えぇもちろんです。ただご存知の通り、私はハイラル出身では無いので、あまり実感が湧かなくてですね…」
コーヒーに口を附けながら目を逸らしてそう言うと、ゼルダは「そうですよね」と困ったような笑みを浮かべた。
「…無理を承知で申し上げますが、聞いていただけますか?」
「姫様にお願いされたら、断る理由なんてありません。お聞きします」
はコーヒーカップを置くと背筋を正し、手を膝の上に置いた。
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ゼルダから話を聞いたは、口元に手をやり指先で下唇を少しつまんでいる。
癖なのか何か考える時、彼女はいつもこの仕草をする。
「なるほど…つまり姫様は、神獣という対厄災用の兵器の繰手を探しに、各地に赴いているのですね。姫様自ら行かれるとは、大変でしょう」
「それもこれも、私の封印の力が覚醒しないことが原因です…本来なら、こんなことになるはずは無いのですが…」
表情を曇らせたゼルダを見て、は何だか居た堪れない気持ちになり、テーブルで指を組んでいる彼女の白い手を思わず握った。
「姫様!私は料理しか取り柄のない人間ですが、何かお手伝い出来ることがあれば、何なりとお申し付けください。私は城を出る時約束しました。貴女のお父上、ハイラル王に。王家に仕える時が来たら、全力でお力添えいたします、と」
その言葉に、ゼルダは目尻を下げて感謝の言葉を述べる。
あぁハイラルの女神様。この齢十七にも満たない少女に与える運命にしては、あまりにも重すぎやしませんか?
世界が平和であるように、とまでは言わないけれど、せめてこの子だけが立場に苦しんで自責の念を生むような世界にはなって欲しくない。
人知れずはそう考えると、ため息をひとつついた。
「、“料理しか取り柄のない人間”と言いましたね?」
気がつくとゼルダは、ちょっといたずらっ子のような笑みを浮かべていた。
「えぇ、それはもう」
「でしたら、この役目はあなたに相応しいはずです」
どういうことだろう?と考えを巡らせていると、ゼルダはすっくと立ち上がった。
その姿は先程とは違い、一国の姫としての立ち振る舞いだ。