• テキストサイズ

Apocalypse(厄黙/リーバル長編夢)

第2章 再会はこの場所で、ケーキと共に


ハテノ村には喫茶店はあるものの、大衆食堂のような施設はなかった。

厄災復活の手前、無理を承知で村長に話を進めたところ大いに喜んでくれた。
幸いにもハテノ村には、「サクラダ工務店」という腕利きの建築職人が集まるコミュニティがあったため、しばらく話を進めて計画が立った翌々月には、あっという間に2号店が完成した。

普段使いはもちろん、疎開に逃れた民間人や兵の栄養補給場など、使い道はたくさん考えられる。

何より、万が一厄災により1号店を無くしたとしても無職になることはなく、疎開に出たスタッフの生活を支えるものとなる。




ふと過去から現在に思考を戻し、は深呼吸をする。

自分の疎開はどうしようかと考えていたところだった。
ハイラル王国のゼルダ姫から手紙が届いたのは。

ちょうど4日前に届いた手紙の内容は、久しぶりの文通に懐古してること、厄災のこと、息災かとたずねること、そして4日後にそちらに伺うという事だった。

そして今日、姫君が来る日だ。

1週間前に自分以外のスタッフが疎開したため休業してるところだったので、タイミングがいいと言えばいい。

普段はおはようからおやすみまで、誰かしら利用客がいるため、内緒話はもとより王家の人間と話すなんて以ての外だ。

そもそもビストロは、王家の人間には敷居があまりにも低すぎる。

大方食事目的ではないことは伺えるが、今となって「会いたい、話がしたい」とは、一体どういうことなのだろうか?

今や“料理だけが取り柄”のにどんな用事があるのだろうか。

いや、もしかしたら純粋に会いたいだけなのかもしれない。烏滸がましい考えだが、が城に仕えている時、ゼルダとはとても仲が良かった。

疎開の前に会いたいということなのだろうか。

でもそれなら、私は元使用人で今は庶民。彼女は王家の人間。会いたいだけなら、私に来いと命ずるはず…ビストロに来たいとかそんな理由なら、あの執政補佐官が黙ってるはずがない。

あれこれと考えをめぐらせてるうちに、もうよく分からなくなって、とりあえず彼女を待とうと、コーヒーを作り始めた。

カウンター席に腰掛け、抽出を待っていたところで、ドアが遠慮がちにノックされた。

/ 39ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp