第2章 再会はこの場所で、ケーキと共に
昼下がりのハイラル城下町の一角。
普段は大衆食堂として多くの民間人に利用されるいたため、こうも人っ子一人いないとなると、逆に落ち着かない。
昼下がりの光がさす窓辺のテーブルや、影を落としたカウンター席も何度も拭きあげ、は布巾をバケツに放った。
額に浮かぶ汗を拭い、前髪を掻き上げる。
カーテンの隙間から見える城下町の大通りはまだ往来があり、以前ほどではないが活気が無くなった訳では無い。
2年ほど前、新聞屋が「号外ー!」と早朝の大通りをやかましく声を上げながら、大きな鞄から紙束をひったくるように掴んでは投げ、掴んでは投げを繰り返し、ハイラル城下町を一時パレードの後のような状態にしたことが昨日のことのように思える。
ちょうど出勤してくるとこだった調理人のバイトの子が号外の新聞を持ってきてくれて、開店前に店の皆で眺めた。
内容は、「数年内に厄災の復活の可能性」とのこと。
もともとハイラル王国出身ではないは何のことかいまいちピンと来なかったが、年若いウェイトレスの女性が「これはやばいですよ!疎開しなきゃ、ここら一帯焼け野原になってもおかしくないですよ!」と興奮気味に言っていた。
彼女の話によると厄災とは、何百年か前に封印されていた「厄災ガノン」が再び復活し、ハイラルを乗っ取ろうとしたといういわば災害のようなものらしい。
我々民間人(特にハイラル城下町にすむ人たち)は、影響が少ない地へ厄災封印まで疎開しなければならないのだ。
もちろんそのことは彼女だけでなく他のスタッフも知ってるようで、いつ疎開しようかとか何を持って逃げようかなど口々に話し始めていた。
正直はここハイラルへ移り住むようになってからも、故郷でもそんなレベルの災害に見舞われたことがないためやはりピンと来てなかったが、大切なスタッフを守るためならと「ビストロのことはきにしないで、好きな時に疎開していいよ」と伝えたのだった。
だが、ビストロの経営を始めてから数年しか経ってないものの、をはじめ他のスタッフも離れるのは惜しいと考えていたようだった。
そこでは、みんなの疎開先である「ハテノ村」に規模の小さい2号店を建てることを計画した。