第4章 とろけるバター煮込み
リトの馬宿で一晩を過ごした翌朝。昨夜よりも、雪は酷く降っていた。
朝食を摂ったあと、各々出発の準備を進めた。
馬宿の主人にお礼を言い、代金を渡した一行はリトの村に向かって再び歩き出した。
「離れないように、気をつけていきましょう」
ゼルダは皆にそう伝えると、リンクに続いて雪の中を進んで行った。
先頭はリンク、後ろに兵士、ゼルダ、インパ、、小さなガーディアン、兵士の順番だった。
しばらくすると、本格的に吹雪いてきた。
視界は遮られ、前後の距離感が分からなくなる。
帽子をすっぽりと被っているため、前後で何か言われてもほとんど聞こえないような状況だった。
止まるのか、進むのか、はたまた点呼すらも難しいほどに、へブラの雪と風は容赦なく襲いかかってきている。
そんな環境になれていないは、もう目を開けることすら難しくなってきていた。
「(なんて吹雪だろう。村に近づけば、少しはマシになるか…!?)」
突如、今まで吹いたことのないほどの風速で、一行の間を暴風がすり抜けて行った。
誰もが思わず足を止め、体制を崩さないように姿勢を低くした。
暴風が過ぎた後、一瞬だけお互いの姿が確認できたので皆が揃っているか確かめ合っていたが、恐ろしいことに気がついた。
「いません!」
インパの声に、ゼルダは馬から落ちそうな勢いで振り返る。
数刻前までいたであろうの足跡は残っていたが、数歩だけ一行から離れた形跡の後、足跡は消えていた。
恐らく、風と雪で埋もれてしまったのだろう。
「そんな…!近くにまだいるはずです!」
馬を降りようとしたゼルダを、リンクが止めた。
数m先にに風を凌げそうな岩場があったこと、ゼルダにはそこで待機していてもらうこと、は自分が探すと、淡々と伝えた。
なおも心配そうにするゼルダに、インパが駆け寄って宥めると、リンクを残して一行は岩場に向かった。
残ったリンクは、もう消えかけている足跡の付近から、ゆっくりとの捜索を始めた。近くに仲間が待機しているとはいえ、方向感覚の狂うここで自分自身も遭難してはならないと頭に入れながら。
そしてリンクと、岩場に着いたゼルダたちは、ほぼ同時に小さなガーディアンもいないことに気がついたのだった。