第4章 とろけるバター煮込み
「ポカポカ草の実」という香辛料にもよく似た実を、馬宿の店主から分けてもらった。
彼が言うには、寒い地方にはよく生えているものとの事だったので、は味が気になったのと体を温めるにはちょうど良いと思い、ありがたく受けとった。
それらと持ってきた食材を使ってスープを作った。
ポカポカ草の実のおかげか、体温を上げるには程よい辛さのある味だった。
みんな疲れていたのか、黙ってかきこんでいた。
リンクに関してはもう1杯食べたそうにしていたので、「まだ欲しい?」と聞くと、力強く頷いたのでまた器によそってあげると、もりもりと食べ始めていた。
中身はまだ育ち盛りの少年、て感じだなあとは思った。リンクに続いて他の兵士もおかわりを所望したので、は快く応じた。
ゼルダが、空になった器とスプーンを持ったままモジモジしていたので、どうしたのか聞いてみた。
「いえ、なんでも、ないです…」
「まだたくさんありますよ」
そう言って、鍋を傾けて中を見せてあげると、そろっと覗き込んで、恥ずかしそうに「じゃあ、さっきの半分くらい食べたいです」と小さな声で言った。
ゼルダから器を受け取ってよそってあげると、彼女は少しだけ笑ってお礼を言った。
お城の食事とは違うのだから、今はお腹いっぱい食べて欲しいと心から願う。
「インパはどう?」
インパの方は、まだ食べている最中のようだった。
時折、パタパタと顔の方を仰ぎながら。
「あ、私はまだありますから!ありがとうございます」
そう言ったインパの顔は少しだけ赤くなっていた。
「もしかして、辛いの苦手?」
「あまり得意ではなくて…あ、でも!スープの味は美味しいので、こうして頂いているのですが、思わずたくさん口に入れてしまうと、辛さが…」
インパが辛いものが苦手というのは初耳だったので、は「あらら、悪かったね」と伝えて水を渡した。
みんなのお腹が満たされていくと同時に、初めは無言で食べていた彼らだが、少しづつ会話をしながら食事をしていくようになっていく。
今は大変なときではあるが、せめて食事の間は楽しく過ごしてもらえたら嬉しいと、はひっそりと思った。