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Apocalypse(厄黙/リーバル長編夢)

第4章 とろけるバター煮込み


全員に行き渡ったのを確認し、1切れずつ残った果物をボウルに入れた。
土をかけて火を消すと、焦げたような残り香が漂う。

丸太に腰掛け直すと、ゼルダがこちらへ歩いてきた。

「姫様、お口に合いましたか?」

「これから頂くところです。短時間でこんなに美味しそうなものを作るなんて、はすごいですね」

褒め言葉に恥ずかしくなったのか、は少し俯く。

「いえ、仕事ですから…それに私も、甘いものが欲しくなったので…」

ふふ、とゼルダは笑うと、香ばしく焼けたリンゴをぱくりと口に入れた。
んん〜と幸せそうな声を漏らして咀嚼する。

小さなガーディアンが物欲しそうにこちらを見ている。
「君はたぶん食べられないよ…」と伝えると、ピュ〜も悲しそうな音を立てた。
バナナはとろっと柔らかくなっており、心做しか食べると力が湧いてくるような気がする。

「甘くて美味しい!このあとの道のりも頑張れそうです!」

バターと果実の水分を滲んだ汁も、彼女は一気に飲み干した。
お城では見ないような光景に嬉しくなる。

「なんだか、罪深い味がしました…」

「姫様は、いつも頑張っているので、このくらい可愛いものですよ」

そう言って、も汁を飲み干す。
わかっていたが、確かに罪深い味だ。

ふと、リンクと兵士たちの方を見ると、彼らは立ったままボウルをかきこんでいた。
豪快な食べっぷりに思わず顔が綻ぶ。

「ありがとうございます、。貴女がいてくれて良かったです」

「お役に立てたようで何よりです、姫様。この先も頑張りますね」

リンゴとバナナのバター煮込みは、意外と腹持ちがよく、リトの馬宿まで空腹になることはなさそうだった。

タバンタ大橋を渡り、ギサの丘を抜けて街道沿いに進む。
ハシビロ湖の横は既に標高が高く、強い風が吹いている。

先程のタバンタ馬宿で、リンクが自分の馬にの荷物を載せてくれた。
おかげでが乗れるほどのスペースができて、今は馬に乗っている。

リンクはというと、「俺は歩きます」と言って聞かなかった。
大方、タバンタ馬宿までのの様子を見ての判断だろうか。
観察力に優れており、感服した。

しかし、馬には乗ったら乗ったで、今度はお尻が痛む。
肉がついていないからか、馬が歩く度に響いてくる気がした。
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