第4章 とろけるバター煮込み
ゼルダとインパ、小さなガーディアンが最後に合流したところで、一行はリトの村に向かって歩き出した。
空は快晴。風はない。
少し歩いただけで汗が出るほどの暑さを感じる。
お互いを気遣うような、少しでも気を紛らわせるような会話を挟むも、一行は止まることなくグスタフ山の北を通りカロク橋を渡って、終焉の谷を抜けた。
の場合、乗馬はしておらず馬を引いて歩いていたので、まずは足に疲れがきた。膝が痛む。
まだ昼にもなってないのに、こんな調子で大丈夫なのか。
街に出てから完全に体が鈍ったとしか考えられない。
ビストロで慌ただしい日々を送ってはいたが、所詮狭い空間で動き回っていたに過ぎず、運動かと言われたら頷けない。
幸いにも気温は高すぎず低すぎず、調度良い気候だった。
これが悪天候だったり高温や低温地帯だったら話は違っただろう。
「、大丈夫ですか?」
前方にいるゼルダが、少しだけ後ろを向いて身を案じてくる。
小さなガーディアンも、ペポポ?と音を立てて単眼をこちらに向けてきた。
「はい、大丈夫、ですよ…!」
そう答えると、こめかみのあたりに汗が伝った。
「…もしよかったら、代わります?」
「いいえ姫様!すみません、大丈夫ですから!」
焦って断ると、ゼルダは困ったように「無理はしないでくださいね」と労いの言葉をかけてくれた。
小さなガーディアンも、ピュー?とこちらを心配するような音を出した。
ふう、と伝う汗を脱ぐうと、肩をトントンと優しく叩かれた。
そちらを見ると、リンクが水筒をこちらに差し出している。
「水分補給、しといたほうがいいですよ」
「あ…ありがとう、リンク」
親切なことに、既に蓋は外されていた。
口を付けて飲むと、少しだけ塩気のある液体が喉を伝った。
しっかりと冷えているわけではないが、勢いよく流し込む。
「…ふう、ありがとう。塩分補給も兼ねてるんだね」
「この気温でも、動けば熱中症になっちゃうので。また飲みたかったら言ってください」
なんて優しいんだ…と感心する。
自分の力を見せつけず、人には優しく振る舞う。
さすがは、ゼルダのお付きに任命されただけある。だけど、ちょっと固いような…いや、これはお節介すぎる。
彼は水筒を受け取ると、手際よく鞍に引っ掛けた。