第3章 デミグラスソースに血が騒ぐ
コンコン、とノックの音。
2人の間に緊張が走る。
ゼルダがここにいることがバレてはならないと思ったは、クローゼットの中に隠れているように伝えると、何事も無かったかのようにドアへ向かっていく。
「はい、どなたでしょうか…あら?」
ドアを開けると、そこには誰もいなかった。
しかし視線を足元に戻してみると、小さな玉子の玩具のような物体が、中央を青く光らせてこちらを見ていた。
あれ、この子どこかで…と思ったが、そもそもなぜ自分の部屋を尋ねてきたのか理解すると、抱き上げて部屋の中に入れてあげた。
「姫様、出てきてもいいですよ」
クローゼットの扉が開き、中から出てきたゼルダは目を丸くした。
「あなただったんですね。もう、驚かさないでください」
から小さなガーディアンを受け取ると、頭の部分を優しく撫でた。
嬉しいのか、ピューイと音を鳴らす小さなガーディアン。
その音も、はなんだか懐かしく聞こえた。
故郷で昔に見たのか?いや、故郷にはそんな技術はなかったはず。なら、ここで?ゼルダに懐いているようだが、記憶が無い。
考えたって分からないものは分からないものだ、と割り切ると、はこのカラクリを見た時に感じたことをそのまま伝えた。
「その子、なんだか玉子みたいですね」
え?というゼルダの声と、ポ?という小さなガーディアンの音が被り、は思わず笑ってしまった。
「確かに、言われてみれば…」
ゼルダは小さなガーディアンを掲げてみる。
「ほら、この丸っこくて白い感じが…とても質のいい玉子のようです」
「質のいい」という言葉を理解したのか、小さなガーディアンは3本ある足のうち1本を掲げての方を差し、ヒュイヒュイと音を鳴らした。
「それなら構わない」と言っているように見えたのか、ゼルダは微笑みながら優しく床に下ろす。
「それにしても、よく私がここに居るとわかりましたね」
まるでお付の騎士のようね、と話しかけると玉子─小さなガーディアンは、「当然!」と言わんばかりに、体を持ち上げた。
2人はまた少しの間話に花を咲かせた後、ゼルダは眠気が勝ったのか、小さなガーディアンと一緒にコソコソとの部屋を後にして行った。
「ありがとう、。話せてよかったです」