第3章 デミグラスソースに血が騒ぐ
茶葉はまだティーポットに残っていたので、2煎目を煎れようと今度はがお湯を注ぐ。
蓋をして蒸らしはじめたところで、話題を変えようと口火を切る。
「そういえば、明後日に向かう『リトの村』はとても寒いところと聞きました。ここからどのくらいで到着するのでしょうか?」
「馬を使って順調に進めば、夜には1番近い馬宿に到着するはずです。ただ…」
「ただ…?」
「最近、吹雪がひどいと聞きました。馬宿で1泊する予定ではありますが、翌日の天候次第で進もうと思います」
そんなに天候が荒れているところなんですね、とは返すと、空になったゼルダのティーカップに少し薄まったお茶を注いだ。
「ありがとうございます」
「いえいえ、さっきよりは薄いかもしれませんが、これはこれでアリかと…私は、濃いめより少し薄いお茶が好きです」
意外ですね、とゼルダは少し笑ってくれた。
「のことなので、しっかりと味のついたお茶が好みだと思ってました」
「実は、2煎目に飲むお茶が1番好きなんです」
他愛のない談笑に、少しだけ緊張が和らぐ。
寒いところなら、体が温まるハーブティーを持っていこうとは誓った。
「私は城下町とハテノ村以外、行ったことがないので。知らない所へ誰かと行くのは、少しだけワクワクしちゃいます。あ、ごめんなさい、遠足に行く訳では無いとわかってますが」
「いいんです、。私も遠出できるのは、どこか楽しみな気持ちもありますから、一緒ですね」
「それは安心しました。吹雪が発生するくらいなら、きっととても寒いところなんでしょうね。どんな食文化があるのかな…」
どうしてもそこが気になってしまう。きっと雪国だから、脂の乗った獣や魚がいて、採れたてのイチゴはきっと美味しいだろう。
イチゴは冬季から春季にかけて仕入れることがあるが、採取から時間が経ってるので、採れたての瑞々しさは正直なところ無い。
「主に魚や果物が主食みたいですよ」
「へぇ…お会いするのも楽しみです。あ、でも神獣の繰り手の方とお話されるんですよね」
「はい、『リーバル』というリト族一の戦士に」
「リト族…ハイリア人以外にも人種がいるとは驚きました。『リーバル』さん、繰り手の話、承諾してくれるといいですね」
頑張ります、とゼルダは意気込んだ。