第29章 幸音のオルゴール【All characters 別邸2階✉️
「ほらほら、ふたりとも……主様が困っているよ」
ベレンの声に「大丈夫だよ」と慌てて手を振る。
「楽しいから、私に遠慮しないで。いつもみたいにしてて」
「お前は優しすぎるのだ」
シロは唇ではそう言ったが、彼女の言葉に何処かほっと瞳を解いていた。
ベレンはヴァリスに手渡したグラスに、そっとノンアルコールシャンパンを注いでいく。
チン、とベレンが手にしたグラスに、自分のグラスを軽く打ち付ける。
口にしたノンアルコールシャンパンはとろりとしていて、爽やかな果実の香りが鼻腔を通り抜けた。
「主様……これを。俺達三人からだよ」
そう言ってベレンが、丁寧にラッピングされた箱を差し出してくる。
ヴァリスは微笑んで箱を受け取った。
「ありがとう」
「……開けてみて」
促されるままに箱にかけられていたリボンを解き、箱を開くと。