第28章 今宵はふたりで Ⅱ【P273〜の続き、🤍&🐾 ♟️*】
「お前たち……養ってやっていた恩も忘れて………、ただで済むと思っているのか……!?」
「無理やりここへ連れてこられた恨みはあっても、恩なんてありません!」
「っこのッ……!」
フェリスが片手を振り上げる。
その手が振り下ろされる刹那、咄嗟に彼女たちを庇い飛び出す。
パンッ。頬を張られたヴァリスは、奴隷の少女たちを庇うように立ち塞がりながら唇をひらく。
「それ以上はお辞めください、フェリス様。
ルカスが告発したことが本当なら、貴方の不用意は発言ひとつで、
さらに御自分の立場が危うくなるだけですよ」
ルカスに目配せすると、彼は心得たように憲兵たちに頷く。
「嫌疑……状?」
突きつけられた書面を見て、フェリスは青ざめる。
「フェリス・アンリリス! 我々にご同行願おう」
憲兵たちに脇を固められ、彼は目を剥く。
「何をする、離せ!」
その手を振り払おうと身を捩って抗うが、
複数人の男に腕を押さえられ、身動きが取れず連行されていく。
それを見届けた後、ヴァリスは安堵と緊張の糸が解け………。
「ヴァリス!」
その声を朧気に捉えたのもつかの間。意識を混沌へと沈めた。