第27章 今宵はふたりで【過去作派生中編 🤍→主←🐾 ♟️】
「そのお言葉だけで充分です」
そう言って微笑み合うふたりに、ベレンが唇をひらく。
「主様………本当にいいの?」
彼の肩にルカスが手を置いたが、彼はそれを振り払ってヴァリスを見つめる。
ヴァリスは仄かに瞳に映る感情の色を冷めさせてからベレンに告げた。
「うん。さっきの約束だけで、私にとっては充分かお詫びだもの」
そう言って、彼に向けて唇に笑みを描いて見せる。
ややあって、ほぅ……と息をついたのはベレンのほうだった。
「そっか。………主様がいいなら、俺も従うよ」
燻る怒りを呑み下すようにしてベレンが呟く。そして隣にいたシロの肩に手を打ち付けた。
「シロ、主様がこう言ってるんだから、お前も納得しなよ」
その手を払いながら唇をひらいた。
「勝手にするがいい」
そう言って、再度シルビアをひと睨みすると部屋を出ていく。
「あらら。あいつ、拗ねちゃったね」
そう言って苦笑するベレン。そしてルカスが唇をひらいた。
「主様、シロくんに寄り添ってあげてください」
「! ルカス」
「彼も心の内では、あなたの言葉を受け入れようとしている筈ですから、」
「うん、わかった。………それでは、フェリス様、シルビア様、私はこれで」
カーテシーをすると、彼を追いかけた。